色々なタイプのピアノの中身

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こちら自動演奏ピアノ(ヤマハ)の中身です。弦の近くに白と黒のバルブが見えます
打弦時に少しカサカサしたような異音が発生する
この場合バルブを綺麗にしてやるとやや収まる事があります
今回はその作業をしました

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鉄板を外してやるとバルブがむき出しになります。この写真でよく分かると思います
旧タイプの自動演奏ピアノはこんな風にしたから上にバルブが上がって鍵盤を動かします

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バルブを抜き取って周りを拭くと、少しホコリやらでザラザラしてる箇所がありました
機械ものやカラクリものはホコリやサビがやはり敵です

別の今度は消音装置の付いたピアノ

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センサーの部分がホコリにまみれています
これも電気的なものですから、特にホコリや湿気に弱いです

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ホコリを掃除し、綺麗になりました。こういう作業が非常に大切です
また面倒な作業なのですが
特に定期調律のお客様には、ちゃんとやってあげる事
期待に応えたいものですからね

ピアノを弾くとパチパチとした音が混ざる

ピアノを弾くと同時に変な音がするというのはよくある話でもあります
原因はいろいろあったりしますが
今回の原因は弦を打ってるハンマーのボンド接続部のボンド切れによるものでした
ハンマーを付いているシャンクから抜き、ボンドを付け取り付け直しました

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それと別のピアノでハンマーを見ると左右にバラバラと傾きが生じていました
弦に垂直に当たらず、斜めに当たっていると
接続部を傷めることにもなりますし
安定した音色と音量を奏でてくれません(下写真)

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これを熱を加えて弦に垂直にそれぞれが当たるように修正しました
安定した音色の為とピアノの耐久性のため
これはかなり重要な調整です
お客さまには見えない作業ですが、こういう所きちんとやりたいです(下写真)

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「何かを得るときは何かを失う時」失う事は辛いけど、進むべく道は必ず用意されてあるのだと

「道は開ける」「人を動かす」で有名なD・カーネギーさんの本の話のようになってしまうのですが(笑)

率直に言えば、ピアノ演奏家になる、プロになると言うには天性のものがやはり必要なんだと思います。
毎年多くの学生が音大を卒業して行きますが、そのうち演奏でご飯を食べて行ける人は果たして何人いるでしょうか、、、

人間って、自分のしたい事と出来る事が一致するケースはごく稀なのかも知れません
私も本当は違う仕事に就きたかったのです、まぁそれは夢のような話でもあるのですが、、、
でも、ピアノ好きの私が調律師という仕事にありつけた事をすごく感謝しております
調律師なんて普通の仕事ですが、これもまた年に100人近くの専門学校生が卒業をして
その中で長く調律を仕事として行ける人は、なんとわずか数パーセントなんですよ、驚きますよね~

私は高校を卒業した後、少し前に日産との合併で話題が上がった京都の三菱自動車工業に勤めました
入社して3年目頃には仕事も覚え、また変にはりきったものだから色々と仕事が増えて行って、、
当時の三菱自工は大変忙しかったようで残業や休日出勤が多く、自分のやりたい別の事が全く出来ず終いで
「この生活のままでは自分を失ってしまう」と感じたのでした

ある日、ふと立ち寄った本屋でなにげに専門学校案内の分厚い本を開いたら、「調律師学校の情報」が掲載されていました
そして三菱を辞めその調律師学校に入り、卒業後には滋賀県の草津市にある楽器店に入社したのでした。

現在では独立して仕事するようになったのですが、仕事は大変だったけど、なんとかなって行くもので
協会という勉強ができる環境も得て、そして多くの技術を学んで、この道も更に伸びて行ったのだと思います
振り返ると、独立してからもう20年以上もこうしてやって来れたのですから、、、
皮肉な事か、三菱自動車は日産傘下になるらしく、
勤めた楽器店は2年前に廃業されて、結局どちらも卒業せざるを得なかったのかな?というような不思議な思いが致します

いま、私にとって「ピアノ調律師は天職」だったんだと思えて来ます。
元々のやりたかった夢のような道は奪われてしまったけど、こうして代わりのものを頂きました
ピアノの響きがよくなって行くのは気持ち良くて、ピアノ調整作業はとても楽しい仕事です。

辻井伸行君も視力というものを奪われてしまった人間だけど
「ピアノの才能」というものを神様に与えてもらい、想像できない程の努力もあって道を開いて行った人だと思います

このカンパネラも良いし、彼のベートーヴェンの「皇帝」は深い想いにならざるを得ません

ひょっとしたら「人生ってそのようなものじゃないでしょうか、、、」全てうまく行く人ってきっと居ないのだと思います
「何かを得る時、それは何かを失う時」失う事は辛いけど進むべく道は必ず用意されてあるのだと

「たとえ才能が無い」としても、音楽を学びたくて音大を目指すのは悪い事では無いと思います
その中で苦労して得るもの、また出逢う人達から色んな事を学び
自分の生き方を信じて行くのであるならば、形こそ違うかも知れないけど必ず「道は開ける」んだと思います

なんて書いておりますが、この少子化時代にピアノの調律師はなかなか大変な仕事で御座いますわ、泣

 

ピアノ鍵盤蓋の塗装をしています

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暖かくなってきたので、久々にピアノの鍵盤蓋の塗装をしています

まだまだ、慣れない部類の仕事なので、色んな人に「どの塗料が良いとか薄めの割合とか」聴いた事を参考にして

最近、黒のPR剤があると聴いたので使っていますが、オレンジ色のものより僕には良いように思う

今回は下地がラッカーのようなので、ラッカー塗装しています

「とにかく焦るな!」という感じでしょうか、比較的穴埋めが旨く出来たので、少しづつ塗料を乗せてゆくつもりで

綺麗になるってやっぱり嬉しいもんですね~

この鍵盤蓋は数十箇所細かい傷があって、パテ埋めが大変でしたし

それだけに旨く行けば喜びも大きいです

 

 

些細な事のようで大切なハンマー傾き調整

ピアノの弦を打っているハンマーという木にフェルトの頭のついたピアノ部品

これが鍵盤を押すと弦に当たって音を奏でるものなのですが

本来は弦に当たる動きが真っ直ぐにピアノの前方に対して垂直に当たる必要があります

3本の弦に均等に当たるためであり、運動の力を100%伝える為でもあり

また長期の使用でハンマーの支点部に負担が生じない為でもあります。

長年の経過や湿気や温度変化によって下の写真のように

2番目のハンマーはやや左に、4番目のハンマーは右に傾いてしまっています

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これを、電気コテや技術者に寄ってはアルコールランプを利用して

ハンマーが垂直になるように補正します

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ほぼほぼ補正できたでしょうか

 

このハンマーの傾きはおおまかな話ですが、ピアノの経過年数が6,7年以上になると発生する可能性があります

些細な事のようですけど、基本的な最低限の条件を保つ作業ですので重要です

先日、20年放置のピアノを2,3万の修理で直せないかという風に考えて居られたお客様がおられましたが

調律も合わせてそんな簡単に行かないのは、こういう現象が起るからです

フレンジのコード切れや、フェルトの磨耗、金属部のさびが少ない状況であっても

修正しなければならない箇所は五万と生じています

 

ゆえに定期調律の必要性も勿論ですが、技術者が調律時にこういったチェック修正をしているか

技術者を信用するだけでなく、

出来るなら、お客様もピアノというものを理解し作業を注視していると良いと思いますよ

 

消耗するピアノの内部部品

ピアノを永く、問題なく気持ち良く使用する上で

問題になってくるのが、ピアノ内部の部品の消耗です

製造から20年から30年でおきてくる現象がスプリングコードという紐の断線

新品の時は白かったり(緑のコードなどもある)綺麗なコード(紐)が

茶色に変色してきて遂には切れだします

この影響で鍵盤が戻って来なかったりして弾けなくなる症状がでます

(下写真①のスプリングを引っ掛けてる茶色くなった紐)

切れる前に、一度にやると大変なので、20年ぐらい経ったピアノは

10本ごとぐらい7,8年掛けて交換してゆくように当方ではやっています

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(これを下写真②のように新しい紐と交換)

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調律しながら交換するので、一気には出来ませんが(写真③)

こんな風に年に数本交換してゆけば、また20年以上は安心ですしね

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(下の写真④)別のピアノですが、製造されて約30年のピアノです

10年近く放置されてたのもあり、ほとんどのスプリングコードが切れてしまっていました

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サイレントピアノ(消音ピアノ)の内部は掃除が大事です

近頃増えてきつつある消音タイプのピアノの内部です

先日ユーザー様の定期調律に行ってまいりました

ピアノアクションを外し、鍵盤を外すと下にセンサーがあります

このセンサーはプラスティックのような素材で割れも生じるので慎重に外す必要があります

なるべくやりたくない作業でもありますが

機械ものは、ほこりと湿気に弱いので、毎年の掃除はユーザー様の為に細心の注意をして行います

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横からみるとこんな状態になっています

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ほこりを除去したので綺麗でしょ?

鍵盤の下をようくみるとセンサーがありますが、わかりづらいかも

この鉄板の間を通過するスピードを検知して音量を変えてるんですよ

だから掃除はすごく大事です

 

サイレントも調整が良くなってきたので

おおよそ通常のタッチ感と遜色はありませんが

深く追求すると、あともう少し技術を進めていただけるといいな~

ただ音を出さないように、鳴る作業を止めるというのは

凄く難しい事なんだと思います

久々のピアノ鍵盤修理をやりました

あんまりやらない仕事ですが、鍵盤の表面の交換という作業をしました

古くなって、素材も縮んで木自体も少し変化したようで鍵盤が上下に入れ違ってたり

めくれそうな状態になっていたので、これは交換しないと弾き難いな~と思い

お客様も望まれたので何年ぶりだろうという作業をしました

(こんな風に上から見てDの鍵盤が特に前後してしまってます、縮んだのでしょうね)

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(横から見るとこんな感じで、めくれそうな気配もありでした)

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(こんな風に熱を当てて、剥がせるんですよ)

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完成しました。少し微妙にズレは残るな~鍵盤の木自体が少し変形してしまってるから

でも、パッと見た感じでは充分かと、、弾きにくい状態ではもうありません

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あとは納品してピアノにセットします。